☆ 改名手続きについて ☆


1)申立書類


*改名(名の変更許可の申立て)に必要な書類
(2011年6月現在、最新情報は家庭裁判所にてご確認ください)

@申立書…裁判所のHPの検索欄に「名の変更許可の申立書」と入力すると申立書がダウンロード可能です。
A収入印紙…800円分を申立書に貼る。
B郵便切手…400円分(80円 x 5枚)
C申立人の戸籍謄本1通
D添付書類…申立理由を証する資料(写し)



*@の申立書に書いた内容のまとめ

申立事情のところには"8 その他"に○をし、性同一性障害と記入しました。

-GIDと診断された時期と医療機関名
-ホルモン療法を受けており、今後性別適合手術を希望している
-家族、友人、職場、顧客の了解の下、フルタイムで女性として生活し認知されている
-戸籍名を使用することによる問題点と、それにより精神的苦痛を感じること
-容姿と通称の不一致により支障を生じている
-名の変更による混乱はなく、許可を申立てますと締め括る



*D添付書類として提出したもの

性同一性障害診断書、通称名でのハガキ、写真つき定期券、診察券、ホルモン剤処方箋、職場の名刺
(電気やガスなどの請求書もあれば良いです)

申立てを行った後日、家庭裁判所から郵便にて連絡がありました。
審問期日通知書とあり内容は下記のとおりです。

「名の変更許可申立て事件
頭書事件についておたずねいしたいことがありますので、この通知書、印鑑及びあなたの身分を証明できるもの
(運転免許書)を持って、下記のとおり必ず本人が起こし下さい。」

審判の為の出頭日は、申立て後3週間程後の日付でした。



2)審判当日

*家庭裁判所での審判当日、参与員に聞かれた内容

@本人確認
  -身分証明書による
A通称名の使用暦について
  -使用実績一年以上が望ましいようですが、最近ではそれ以下でも許可される場合があります-
B戸籍名を使用することにより生じた問題点
  -改名を希望するというよりも、変更せざるを得ない必要性を実例を挙げて訴えました-
C家族(親、配偶者)の了承があるか
  -あくまでもそれが前提になるようです-

用件を出来るだけ簡潔に伝えるため、予めメモに書き留めておきました。
意地悪な審判官に当たっても、冷静に対処出来ると思ったからです。

審判開始後30分位経った頃、参与員に裁判官に聞いてくるので待っているようにと言われ、
その後書記官室に移動し、改名許可が出たことを伝えられました。

時間が少し長いように思われますが、審判がかなりリラックスした雰囲気のなかで行われたためで、
実際に私が発言した時間はその半分にも満ちません。


主文

申立人の名「xxxx」を「マリナ」と変更することを許可する。

と書かれた審判書謄本を渡され内容を確認して、受領書に捺印して裁判所での手続きは終了です。


ここまでに記載した内容はあくまでも私の場合のケースであり、裁判所、審判員により異なりますので
あくまでも参考程度にして下さい。

HPで改名審判に関する情報を読む限り、年月が遡るほど審査が厳しいようですが、
最近では性同一性障害が社会に浸透しつつあることから、話がスムーズに行くようです。
また私の場合には海外事情に詳しい方を当ててくれたりと、裁判所もケースによって考えてくれている
という印象を受けました。
ただしこれも裁判所・裁判官により差があるようです。

【審判にあたって重視したこと】
いくら女性名使用歴が長くとも、見た目が女性らしくなければ改名の必要性を疑われます。
もしお顔が男性であれば、改名によって、より社会的混乱を引き起こすことになります。
いつも以上に、身だしなみ、メーク、仕草には気を使い、どう見ても男性名では生活が無理であることを
それらの雰囲気で表現しました。


3)改名許可後の手続き

*役所での手続き

役所での名の変更手続きは、本籍地または所在地の市区町村戸籍課にて行います。

必要書類
@名の変更届…窓口でもらえます
A審判書謄本…家庭裁判所で貰った名の変更許可の謄本
          (これは戸籍課に提出し、手元に残らないため予め何枚かをコピーすると銀行などで
          名前変更を行う際に便利。また記念品にもなります。)
B戸籍謄本…本籍地が手続き先の市区町村と異なる場合
C印鑑

名の変更届の書き方は、窓口の担当者に教わりながら書き、手続きは簡単に終わりました。
対応も親切でした。逆に私の場合は、気を使い過ぎといった印象を受けた程です。
実際には、戸籍上の変更手続きは役所内で時間要する為(最低1週間程度と言われた)、
新しい名での戸籍謄(抄)本発行はしばらく待つことになります。
パスポート取得の必要のある方は、時間に余裕を持ってください。



*それ以外の手続き

@年金手帳
同じ役所内で行いましたが、用紙に名前変更の届出をするだけで、手帳そのものの名前訂正は
自身で行う為、本当に変わったのか不安になりますが、その後の通知は新しい名前で送られてきます。
ただし手帳には旧名がそのまま残る為、社会保険庁事務所で再発行してもらうと、新しい名前のみの
表記ですが、性別は「男」でした。

A銀行口座
既存の講座名義を変更するには、審判書謄本のコピーの他に、新しい名が表記されている公的証明書
(戸籍抄本など)の提出を求められ、過去を知られるという点では気分の良いものではありませんでした。
私は新しい名に変わったパスポートを使って新規口座を開きました。性別欄はM(Male/男)のままですが、
そこまで注意して見ていないようなので、女性として開設しました。

B免許書
原則、新しい名前を裏面に記載されるだけで、次回更新まで我慢することになります。
ただし、紛失していた場合は新しい名義で発行されます。

(他の手続きは追ってお知らせいたします。)


*最後に
近年ではGIDが社会に浸透していることに伴い、改名が比較的容易になっている傾向にあります。
しかしながら、改名は感情の赴くままに行うのではなく、改名後の名前で社会で生きて行く為の、
容姿・声・望む名での社会適応力を熟慮しないと、より苦しい思いをすることになる為、
慎重にしてくださいね。社会はそれほど、甘いものではありませんので。


それではご検討をお祈り申し上げます。


             

                              

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