その後の私

女性ホルモン開始から5年目に入りました
医師からはもう体が出来上がっているから、短い間隔でホルモン注射を打つ必要がないと
言われています。女性としての生活も安定し、GIDであることが既に遠い過去の想い出に
なりつつあります。そんな今だから感じることをお話いたします。

リードやパスなどの外的要因が語られることが多いですが、女性として生まれながらの
彼女たちと対等に接していくには、それ以前に人間性が非常に重要です。また会いたいなと
感じるのは、気配りの出来る人、一緒にいて楽しいとか、癒される言う人になりますよね。
逆にいくら美人でも、性格に難があれば、後には続きません。 うつ病を抱えていたり、
メンタル面の弱い人はお付き合いは、負のオーラが満開で、魅力がなく無理でした。
まずは人間的に豊かであることを実感しました。

当初は男の部分を隠すことに努めていましたが、今ではそれを生かすこともあり、
女子から頼れる存在を目指しています。

さて、外見の移り変わりですが、トランス当初の私の外見は酷く、親しい友人からは
最低レベルの女装と酷評されたものです。私なりに頑張っているつもりでも、リード
される日々が続きました。それでも、不屈の精神で這い上がり、華やかな女性たちに
揉まれることにより、女性世界で対等に、時にはそれ以上に、生きて行くに至りました。
また、私に対して憧れを抱いてくれる女性まで現れました。

そう書けば私は幸せに生きているようですが…
実は逆なのです。
いくら華やかに見られても、出来てしまったイメージを守るために、仕方なしに女性として
生きているといった感じです。

パートナーと過ごした日々…
その想い出が毎日のようにフラッシュバックで蘇ります。
カムすることなく女性として目立つ仕事をこなせても、男性にモテても、取るに至らない
ちっぽけな事の様にしか見えません。私が本当に求めていたのは、全てを分かち合える
パートナーとの日々の生活だったことを確信しました。

女性として社会で揉まれるにつれ、女性の気持ちが痛いほど理解できてしまい、
まだMtF、ニューハーフとして生きていた頃には分からなかった、パートナーの苦悩が、
自らのことのように心に重く圧し掛かって来ます。

自らこの道を選択しながら、誠に自分勝手ですが、もし、昔のパートーナーが私を
受け入れてくれるなら、もう一度男性に戻っても構わないと考えるようになっています。
意外な結末になってしまいましたが、これが現在のの私の気持ちです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

麻里奈(2012年5月18日)


             

                              

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