(2007.12.19-2008.03.31)
2007年12月19日
病院に行ってきました。
待ちに待った第二段階(ホルモン治療)の許可がおり、いよいよ今日から開始です。
処方箋にはTransexualism (from man to woman)と書かれてあり、
なんかいよいよ始まったかなって感じ。嬉しい気持ちとは逆に、少し複雑な気分でその日はおクスリを飲めなかったの。
12月29日今日からまりなとしての新しい人生が始まりました。
そう、おクスリをようやく始めまたの。私の0歳の誕生日。
Happy Birthday, Marina.
1月13日今日は、今年初めての出社。
まだ疲労が取れず、夕方の7時でもう頭がフラフラで、思考能力がほぼゼロ状態。
帰宅途中も眠く、だるくたまらないの。そして、シャワーを浴びたら、おなかが空いているにもかかわらず、カラダがベッドに直行し、パートナーが
帰ってくるまで気が付かなかったほど。長旅の疲れかなと思っていたけれど、どうやら違ったよう。
何かカラダに異変が起こっているみたい。
1月15日
ケーキを買いにデパートに行ったら、気に入ったのがなくて、ちょっと歩くけれど、別のお店に行こうとしたの。
通常だと15分くらいで気が付けば到着するよりなんだけれど、その夜はまるで、いくら歩いても、
カラダが前に進まない。もう少しかなと思ってみると、さっきの場所からほとんど変わっていないのね。まるで見えない誰かから、後ろに押し戻されているのか、誰かをおんぶして歩いているのではと、
思えたくらい。でもカラダはもう何時間も歩いたように、クタクタ。今まではこんなことがなかったのにね。
どうしたんだろう。結局はおクスリの副作用だったんですね。
幽霊に取り付かれていないことが分かっただけ、ホッとしっちゃった。
実は私、一年間に渡って幽霊に付き纏われたという、恐ろしい体験をしているの。
1月24日胸が張って痛い。日増しに痛みがひどくなっている。
うっかりと電話の受話器でぶつけるものなら、飛び上がるほど痛いの。
乳がんか、少なくとも乳腺炎になったのではと、心配したほど。夜も寝返りが打てない。まるで手術直後の麻酔が切れた状態のような痛さ。
私の知らないところでカラダに大きな変化が起こっていることを、この時初めて認識するようになった。
2月8日
お風呂に入る前にバストを測ったみたら、トップとアンダーの差は6,5センチ。
ようやく無乳からAAカップの思春期のオッパイに仲間入り。なんか少し女性に近づいた感じ…でもまだブラは必要なし。トホホ…
2月10日よく眠り快適に目覚めた日曜の朝。
しばらくおフトンの中で余韻を楽しんだ後、さあシャワーを浴びようと起き上がろうとしたら、
突然悲しくなり、涙がこぼれて来たの。悲しくなる理由なんてない。なのに、どうしてなの。
まりなにいくら問い詰めても答えてくれない。朝食の場でそのことをパートナーに話すと、それっておクスリの副作用かもしれないから、
今度病院に行くときに、話せばとのことでした。その日、私はしばらく考えたの。なぜ悲しくなったのか。
でも結局は分からなかった…
2月14日今年初めてGIDのお医者さまのところに行って来たの。
3日くらい前に、急遽一番会いたかった、精神科の先生がしばらくこれないと留守電に伝言が。本来だと今一番、精神面のケアが必要なのに、精神科の先生がいないなんてどうすればいいの。
とりあえず、わずか5分だけの事務手続きだけする看護婦さんだけを訪れ、先週突然悲しくなり、
涙が突然出てきたことを伝えた私。そうしたら、「それはいけない、すぐに先生に診てもらいましょう。場合によっては治療方法も
考え直さないといけないし。」いくら私が、別に大した事でもないのにと否定しても、見てもらいなさいの一点張り。
会社にも早く行かないといけないし、、、案の定お客様からは携帯に電話が。せっかく薄くでもメークしているのに、お仕事モードの声で
話すのは辛かった。先生の到着が遅れ、一時間近くも待たされた結果、言われたことは、それは女性化が進んで
いることで、大丈夫の一言。そして最後に、声に関するカウンセリングを受けてみればどうだと、
紹介状をもらい終わり。
だから言っただろう、大げさなんだよと一言発したい気持ちだった。
でも心配してくれてありがとう。
2月16日私がお化粧をして外出したのは、昨年8月のオーストリア旅行と10月に病院に行った時と、数えるくらい
でした。10月のものは写真で見ると、醜すぎるおばさんそのもので、それ以降お化粧をすることはなく
まさに氷河期状態。ホルモン治療も始まって2ヶ月目に入ったことから、義務感も手伝い、ついにこの日、パートナーと食料の
買出しに郊外の大型スーパーにメークをして出かけることに。車で行ったため、道中人に顔を晒らして慣らすといったウオーミングアップもなく、いきなり閉じられた
空間である、スーパーの食料品売り場に私は放り出されてしまった。おクスリを始める前は、オヤジ化が急激に進むと同時に、ストレスで見るに耐えれないお顔になっていた
こともあり、少しは肌のキメが細かくなったとはいえ、とても人前に出る勇気はありませんでした。最初はパートナーの後ろにくっついていく小心者ぶり。でも、ずっとそうしているわけにもいかない。
伏せ目になりつつも、私は別に必要なものを探しに行くと、なんと、レジで知り合いが、、、買い物を
終えようとしているではないの。久々の外出で、いきなり知り合いと出会うなんて予想もしていなく、もう頭の中は超パニック状態。
そんな私は無謀にも、彼に挨拶をしてしまうほど。
でも、キョトンとしています。少し距離があったからと思い、今度は大きく手を上げると、同じ表情ながら、
私に会釈をしてくれました。そして、半ば意地になっていた私は、声を出すといった自ら墓穴を掘る行為に
出てしまい、ようやく認識してもらったのです。続きは後日書きますね。
2月23日正気を取り戻してから、すごく後悔したのは言うまでもありません。
これで私は女装好きな頭のおかしい人と少なくとも、彼には認識され、その噂が、広まるのではと気が
気ではなかった。海外というと、日本よりも開放的と思われますが、私から見ると現在の日本の方が、より時代の流れに
柔軟に対応している感じ。特にGIDに関しては。日本の方が少なくとも、そういった人が存在することが、報道などで、少しずつでも浸透しています。
それに対して、こちらはよりマイナリティな世界だし、特に在住日本人は、保守的で、GID=おかま、
または、変態程度の認識程度。彼はアメリカの大学を卒業しているし、29日にある飲み会で彼も出席するだろうから、その時には一応は
説明しておこう。
2月29日
今日は昔の仕事仲間との同窓会ということで、レディースだけれど、ボタンの位置が左右逆になっている
だけで、メンズと違いのないシャツ、そしてパンツはメンズとなので、少しアクセントをと、スカートに
付いていた黒のエナメルのベルトを着用。上下全て黒でちょっとモード系に決めて、今日はなかなかいけてるかな、何て思いながらお仕事を。
パートナーから電話があって、たまたま彼女が私の行く予定のレストランの近くに居るというから、
合流しカフェでビールを一杯飲んでいました。
そして途中トイレに向かうと、おばさんが掃除をしているところでした。
でも良く見ると女性用だったので、ホッとして扉に手を掛けた瞬間、
「もうすぐ終わりますから、待っていてください。」と一言。えっと思い、扉の上を見ると確かに男性用で間違ってはいなかったのです。
???の状態で素直に後退すると、お掃除のおばさんが、
「ごめんなさいね、待たせて。」とまた私に向かって言います。眉を描いているだけで、ノーメークの私は、じゃあ、また後で来ますといって、その場は我慢したけれど、
どうして勘違いされたのかが不思議。そしていざレストランに着き、挨拶しても誰もすぐに私のことを判別してくれない。
まだ耳が隠れるくらいのショートだけれど、髪を茶色くしたせいかな。でも女性達には、なぜ急に
おしゃれをするようになったのと聞かれはしたけれど、服装や髪に無頓着だった私に好感を抱いてくれて、
印象はアップしたみたい。これで次回は軽くお化粧はしていけるかななんて、思いました。