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(2008.09.01-2008.10.31)

91          Mモードでお出かけ

今日は市役所、妹のいる職場に用事、母の通っている歯医者さんに行く予定が
あったので、持ってきた中で一番中性的なTシャツ、お顔はファンデのみ、
ペディキュア隠しのためメンズの靴下を穿いて、ノーブラでお出かけ。

Mモードで出かけるなんて、何ヶ月ぶりだろう。
いざ外を歩き、バスを待っていると何で、こんな中途半端な格好をしないといけないんだろう。
周りは私のことを男性と見ているに違いない。でも、私は女性よと、心の中で呟く。
この時初めて、外見的は女性らしくないのに、Mモードで外出する辛さを感じたの。

保険証を貰うために住民登録を行おうとすると、本人と思われなく説明が必要だったりした。
次に妹の所に行くと、1月に会ったばかりなのに、私のことを全く認識出来ていないみたいだった。
更に歯医者さんでは、以前よりも肌が綺麗になりましたねと言われる始末。

ここ何ヶ月で最もMモードにも関わらず、街を歩いていても、乗り物に乗っていても、
不思議なことに、女性としての安心感を感じることが出来たの。

用事が終わった後、眉毛だけを書いて、試しに銀行で両替した時に、名前を記載する
必要があり、まりなと書いてみたけれど、担当の女性は表情一つ変えることなく、
別の用紙にまりなと写していた次第。

これって女性として見えたのかな。いや、日本人にこんな容姿でそう見られるわけがない。
一つだけ言える事は、これまでおどおどしていた私に、自らを女性と信じる事が、
この日初めて出来た様で、何か私の内面に変化が生じ始めているのは確かだった。



9月3日          予想外の人と一緒に

特にお出かけの予定もなく、本屋さんとドラッグストアにでもと考えていたら、
パートナーが母に頼んでいたものを見にデパートに行こうと、近くのスーパーに
行くことを拒否された母になんと誘われたの。

正直、私は聞き間違いと思ったほど。
会社モードの軽めのお化粧だけれど、女装した息子とばれるかも知れない、
私とお出かけするのが、恥ずかしくないのかなと、逆に私が心配してしまったほど。

更に外に出るということは、これまでに見せたことのないFモードでの話し方を
しないといけないのに、キモく思われないのかなどを考えると、母が正気さを
失っているんじゃないかと、疑ってしまう。

何とかまりなとして振舞ったけれど、お互いなれていないせいか、とても疲れた。
それでも、少し私のことを認めてもらえたようで、すごく嬉しい一日だったな。



9月4日          お顔のコンプレックス

髪のカットが大失敗に終わった今、片目が完全に一重の目にこれまで以上に、
コンプレックスを感じていたため、思い切って埋没式の二重への手術を受けるために、
美容外科に足を運んだの。

先生にナチュラルなラインはこんな感じでしょうかと言われたもの、パートナーの
幅の広い二重のラインを思い出し、彼女のようになりたく、少し太めにとオーダーしたら、
手術後の目はロッキーのシルベスタ=スタローンのような太く、腫れぼったい二重に
なっていて、麻酔が切れた後は、片目に違和感を感じたり、目を閉じることも痛みを伴い、
なんでこんなことをしたんだろうと考えてしまったほど。

どうか綺麗な目になりますように。



9月6日          お酒の飲み方

まりなとして、日本で初めての夜のお出かけ。

昨日よりはマシになったとはいえ、相変わらず目が腫れているから、アイメークは
一切控えたけれど、女性らしく見え、不思議と一切コンプレックスを感じなかった。
多分度胸が付いたのかな。

美味しいものを食べた後は、カクテルの飲めるお店にエスコートして欲しいななんて
考えながら、待ち合わせ場所に現れたお友達は、出る前におばあちゃんと軽く
夕食を取って来たと言うじゃないの。

お昼はお出かけを断念したこともあり、いつも以上に楽しみにしていた私は、
いきなり気分を悪くし、マックでいいとプンプンしながら、歩き始めると、
ファミレスはどうなんて言ってくるけれど、あまりにのデリカシーのなさに、怒りは収まらず、
モスバーガーに入って女性にしては多い数を頼んじゃった。

少し冷静になって考えると、彼とは何年も男同士の付き合いをしてきたから、
外見的に私が女性の格好をしても、彼には昔のままの私にあることは変わらない。
むしろ彼に要求することが、負担になるといけないから、まりなとして振舞うのは私だけで
構わない。

なぜ、こんな当たり前のことが最初から分からなかったんだろう。
やはり私の思考回路が気付かないところで、女性化してしまっているのかな。

さて、カクテルの飲めるお店に入ったのはいいけれど、オーダーするものはアルコール度数の
強いものと、Mモードの時と変わっていない。おクスリによりお酒に弱くなっていることも忘れ、
昔のペースでお代わりを続けていると、いつの間にか日本語で話していなかったりと、
思いっきり酔っちゃった。

すっかりFモードであることも忘れ、酔っ払い顔、フラフラの足取りで、コンビニに行き、
菓子パンを買うなんて、後から思うと最低だった。それでも深層意識下ではまりなで、
お友達にカップルのように腕を組んで甘える感じで歩いていたほど。
こんなにひどく酔ったことはここ何年もなかったので、すごくショック。

これからは、お酒の飲み方も意識して考えないとね。
すごく反省した夜だった。
勿論、翌日は思いっきり二日酔いだったけれど…



9月7日          だから私だって

お友達と直前に連絡がつき、突然会うことに。
午後だったため、二日酔いもかなり治まっていてよかった。

一応彼女には、そちらかは私の顔が分からないよとは言っていたものの、
私にすごく良くしてくれていた事もあって、GIDであることを最後まで言えなかったの。

アイメークがまだ出来ないから、感じ的には昨夜と同じ。
待ち合わせ場所に彼女を発見し、笑顔でこんにちはと言うと、すごく警戒した顔で、
私のことを見られた。4年ぶりだからかなと思って、更に言葉を進めると、
彼女が人違いと云わんばかりに、今度は本当に私かと証拠を求めてくる。

私を認識してくれたと思っても、まだ半信半疑だし、ようやく入った喫茶店にて、
事情を説明して分かってもらえたほど。

そんなに私の顔が変わっているとは思えないのだけど、どうしてなのかな。
彼女に聞くと、ちょうど待ち合わせ場所でフォロクローレを演奏していた南米人が
いたから、私が彼らの関係者の怪しい外人だと思い込んでいるみたいで、
怒りを抑えながらも、人違いですとはっきりと言おうと思っていたところだったらしいの。

そんなに私の日本語って下手だったのかな。
悲しいけれど、実はたまに言われるのよね。

最初こそギクシャクしていたお友達だけれど、今回会った人たちのうち、
唯一私のことをずっとまりなって呼んでくれ、これからは一緒にショッピングなんかも
楽しめるねなんて、私のことを女性として扱ってくれた。

そして、何よりも嬉しかったのは、初めて「まりな」と呼ばれたこと。

パートナーやこちらのお友達たちも、そのように呼んでくれるけれど、正確には、
「マリーナ」だからね。



9月8日          ナンパされちゃった

歯医者さんの帰りに地下のショッピングセンターをパートナーへのお土産を探しながら、
歩いていたら、誰かにいきなり呼び止められたの。

インテリそうな人だったから、足を止めると、何をしているんですか、お買い物?、今暇ですか、
などから始まり、後何か言われたけれど聞き取れなかったけれど、お茶に誘うじゃないの。

えっ、これって、ナンパなの?
去年、ウイーンでは、パートナーが上手くかわしてくれたけれど、
今度は一人、しかも日本語だから言葉の意味が分かりすぎて、とっさに言葉が思い浮かばない。

その間にも私に更なる言葉を続けてくる。
しつこいから、M声で話すと、男の人ですかと聞かれ、その時に「はい」と言っておけば、
解放されたのに、黙って彼のほうを観察していたら、とにかくお茶に行こうとより押しが強く
なっていたので、冷静さを取り戻した私は、何とかその場を立ち去ったの。

その時の私の服装は、歯医者さんの帰りだったから、Tシャツにジーパンと中性的だったし、
お顔もファンデと眉毛を描いていた程度だからとても不思議だった。

でも、これで私のお顔も酷くないんだと素直に喜べなかったの事実。
実は最初に呼び止められ、流暢な日本語で答えたとき、
「なんだ、日本の人だったんですか。外国の人だと思っていました。」
そう、落胆した表情を見せられたから。

単に、外人さんとお話をしたかったのかな。
日本人で悪かったわね。それなら最初から、少なくとも英語で話しかけてよね。
そうしたら、他言語のお国訛りでも入れて答えてあげたのに。

それにしてもなぜ、私が最近外人と間違われるのかが、全く理解できない。
鏡をあらゆる角度から見ても、日本人しか見えないと思うのに。
低く幅の広いお鼻、凹凸のないお顔、白さとキメ細やかさに欠けるお肌。
逆にそれらの劣った部分が、日本人らしくなかったのかな。

ヨーロッパでは外人、日本でも外人、なんか無国籍みたいで、ちっとも嬉しくないな。



9月9日          女性らしいお顔になるには

目の手術後は、目が疲れやすくなったり、ゴロゴロとするので、クリニックに行くことに。

私の容姿の自信のなさで、これまでずっとTシャツで外出していたけれど、日本滞在あともわずか。
今日は思い切って、小さなお花の柄をちりばめた、黒のシースルーのブラウスを着てお出かけ。
でも、ボトムは黒のパンツと、スカートじゃなかったの。

外を歩いていても、全身で女性らしさを感じ、すごく気持ちよかった。

さて、クリニックで先生に事情を話すと、腫れのせいで、視界が狭まっている事と、
糸が出ていたらすごく痛いので、しばらくは様子を見る様にとのこと。
まあ、少なくとも糸が出ていなかったようで、少しは安心。
でも、いつ糸が出てきたりと、目が一重に戻るリスクがあり、すぐに日本に戻れないことを
考えると、ちょっぴり後悔。

そして、ついでに他の部分に関してどうすれば、女性らしい顔になれるかを聞いてみたの。
顎の骨を削ることだって。でも、お値段が100万くらいすると聞いて、これは断念。
それだけあれば、お胸を大きくしてもお釣りが来るしね。

また、昨日、日本人と思われなかったことが、ショックでついでにお鼻をどれだけ高く出来るかを
聞いてみたの。でも、付け根(目の横)部分をたったの4ミリ程度だって。
これじゃ私の二等辺三角形のお鼻が、台形になるには無理かな。
また来年も帰省しようと思うから、それまでゆっくりと考えてみよう。

クリニックの帰りに、今日はとても女性らしく感じたので、色々なお店に入ってみたの。
可愛い下着屋さんを見つけ、入ってみると、どれもヨーロッパには無いようなデザインで、
どれにしようかなと、探し始めたのはいいけれど…サ、サイズが、アンダーが75までしか
見当たらない。更に、75でもあまり無かったりする。ゲゲ、、、私のアンダー80はこちらでは、
標準サイズに入っていて、必ず見つかるのに…すごくショック。

話は変わって、ピアスは日本の方がずっと種類も多いし、可愛いかな。
運良く閉店セールでオール315円のお店を見つけたので、沢山買っちゃた。



9月10日        心遣いありがとう

今日は滞在最終日。
出先の途中に妹のいるところに立ち寄ってさりげなく挨拶して行こうと、
彼女を目指して歩いていくと、カウンターから出てくるじゃないの。

(えー、そんな事したらもう一人の人にあの人誰と聞かれるよー。)
更に何か紙袋を私に私にお土産としてくれたの。
(もー知らないからね。)

バス停で何気なしに、袋に手を入れると手紙が入ってあった。
気になり、読んでみると、
「飲むコラーゲンを入れておくから、きれいになってね。」
だって。

嬉しさのあまり、突如サングラスに覆われた私の目は、涙で一瞬何も見えなくなったほど。
私が、こんなになり迷惑を掛けたのに、家族でただ一人優しい言葉をかけてくれた。
本当に嬉しく、ただ小声でありがとうと呟くしかなかった。

その後、今日のことが気になり、彼女に聞くと、やはり誰か聞かれたんだって。
案の定、彼女は、
「実は今お兄ちゃんが来ていて…」とまで言って、しまったと思っていたところ、
「ああ、あの奥さんね」とあっさりと流してくれて、ほっとしたとの事で、私も安心。



9月11日        パス度を上げるには

期待→絶望→開き直り→リラックス→自信の芽生えと、この2週間私を取り巻く状況は、
大きく変わった。

そして、私が滞在中にそれらのことから感じ取ったことは、
《自らに自信をもてば、パス度は大きく上がる。》
当たり前の事だけれども、頭の中ではそう思っていても、これまで、本当には理解していなかった。

精神的にも余裕が湧き、日本出国、EU入国審査でも、私が本人じゃないと帰国時以上に
問題になっても、バッグに付けたフーちゃんのミニぬいぐるみ(セントレアのキャラクタの一人)を、
なでなでしながらと、かなり落ち着いているまりなを感じた。

最後まで、日本に行くか行かないかを迷ったけれど、今回はEUという入り江の中から、
日本という外洋に出て、そこで荒波に揉まれて良かった。
そうでなければ、私はますます自信を喪失していたに違いないから。

来年もまた旅行をしてみたいな。
その時には両親にももう少し、私のことを受け入れてもらえるかな。

そして、パートナーにも謝らないと。
彼女に自信を持ちなさいと言われても、日本人のことを良く知らないくせに、
勝手なことを言わないでよと、全く聞き入れなかったことを。
ごめんなさい。
一人の女性としての貴女の視点は決して間違ってはいなかった。



9月12日         お仕事に復帰

休暇後はお仕事が忙しくなると張り切って出社すると、上司に引き継いで行った
大きな仕事の一つが、別の同僚が行うことになっていた。名目上は、私の負担を減らす
事らしいけれど、そんなのは全くのウソに違いない。以前までは休暇から戻ると、
ようやく帰ってきたかと、重宝されたのに、今回は全くの無視。
まあ、こんなものかな。

せっかく、今まで以上に多くの業務をこなし、キャパシティーを上げようとしていただけに、
すっかりやる気を失くしちゃった。

あと、困ったのは電話での話し方。
日本ではすっかりまりなとして過ごしたためか、どうも話し方が女性らしくなり、
修正するのに苦労するなんて。
でも、ある意味、私がまりなになり切れたからかな。



9月20日        流行色

食料品の買出しの後、帰国後初めてパートナーとショッピングセンターでお洋服のチェック。
ヨーロッパのこの秋・冬の流行色はパープル、より具体的にはなすび色。
通勤用バッグは既にこの色のものをパートナーにプレゼントしてもらっちゃた。(^_^)
写真じゃ分かりにくいけれど、中央にはトンボが描かれていてすごく秋らしいの。



じっくりと時間をかけて見た結果、秋物コートに気に入ったものがあり、要チェック。
結局買ったお洋服は、黒のブラウスで、胸元がフリルでひらひらしているもの。
ちょっと会社に着ていくのは難しいかも。

そして最後はランジェリーショップ。
日本で気が付いたんだけれど、現在のお胸に実用的なブラは全てベースが黒。

今回は脱ブラックを設定して、これなんていいかなってチェックしていたら、
店員さんが私にどのサイズをお探しですかと聞いてくるじゃない。
この胸を見れば分かるでしょうと言いたい衝動を抑えて、80Aと言うところを、
少し見栄を張って”80B”、(日本サイズでは。ヨーロッパ標準の表示では95B)って言っちゃたの。
でも、それを私に渡してくれた後、別のモデルは自分でしっかり80Aを手にとって試着室へ。

実は欧州のBカップって、日本のとは異なり、かなり大きく、またAってほとんど見かけることがないの。
プッシュアップだけれど、大きすぎるだろうとなと試着すると、なんとスカスカじゃなくちょうど
いい感じ。実際は更に胸を持ち上げ、はみ出させ強調する必要があるけれど、パートナーに
見てもらっても、フィットしているとの事だったので、それに決めたの。
別のAカップも同じような感じだったから、カップがかなり浅めのものに当ったのかな。

ショーツもおそろいのものを持っていったら、ブラを2割引にしてくれて、更に嬉しくなっちゃった。
色は、もちろん流行のなすび色。



9月22日       オカマがOLして何が悪い

朝一でGIDの病院に行く必要があったので、一昨日ゲットした胸元がひらひらした、
黒のブラウス、黒のパンツ、ローヒールと完全Fモードでお仕事に。
(いつももある意味そうだけれど、今日のブラウスはとてもフェミニンだったので)

髪を後ろで束ね、チークを濃い目に塗り、香水をしっかりと付けて、上司のいるフロアの
タイルの床で、思いっきりヒールを響かせて歩いてちゃった。
オカマがOLして何が悪いとといった態度で。

もちろんお仕事もキャリアウーマンの様に、いろんな国の人と交信もしたしね。

病院では前回先生とけんかをして、そのまま放置してきた訂正診断書も貰ってきたの。
前半の部分は事実関係をそのまま、記載されていたけれど、後半は一人ゲラゲラ笑っちゃった。
詳しい内容は次回にでも。



9月24日       診断書

先日、貰った診断書をじっくり読むとこんなことまで書かれてあったの。
まずは、普通に、

《主診断》
性同一性障害、MtoF

から始まって、
診察の目的、履歴など1ページにぎっしりと書かれていて、私をMtoFと証明するには十分。
ところが、2枚目はGIDとは関係の無い、学歴と大学での専攻や職業が書かれてあると思えば、
続きに身長や体脂肪まで記載されているの。

そして、私が笑ったのは下記の部分。

《頭部・首》
普通で均等の取れた頭部(私のどこが)。髪は細く(日本人は太いよ)長い
(女性ではロングではないけれど)。女性らしい顎(私はもっと細くしたいのだけれど)
以下、省略。

《胸郭》
普通で均等の取れた骨格、胸部に体毛なし、ホルモン治療により胸部に少し膨らみあり。
(上半身の裸を見せたことが無いのになぜ分かるの?内容は当っているけれど。)

《腹部》
柔らかい:丸くない、 体毛なし。(理由は上と同じ)
男性外生殖器。女性らしい並びの恥毛(無い状態にしているけれど…)

《手足》
体脂肪が女性らしく配分されている。
腕と足の体毛なし。(腕のことは良く分かったわね、正解。でも正確には以前に一本毛を発見。
足もまだ脱毛していないので、3、4週間に一度抜くようにしているから外れ。)
以下、省略。

それにしてもこんなところまで記載されるんだ。
日本のものもそうなのかな。



9月26日       ANNIVERSARY

上司が出張中のこともあり、日本でも一度着た、黒いシースルーのブラウスで出勤。
さすがに恥ずかしかったので、最初はカーディガンを羽織っていたものの、日本人の
同僚に、お洒落な服ね、どこかにお出かけと、しっかり見破られた。
私が、パートナーとの結婚記念日のお祝いと言ったら、それって女性とでしょうと、
笑われたし、お掃除のお姉ちゃんもびっくりしてたみたい。
やはりキモかったりして…

パートナーがオフィスまで迎えに来てくれ、まずは内装がとてもドイツらしいビール屋さんで乾杯。
そして、ディナーを楽しんだ後は、繁華街をお散歩。しかも、久々に私と腕を組んでくれたの。
段々とデートらしくなり、歩きながら過去の日の想い出に浸っていたら、彼女の提案でジャズの
生演奏を聞きに行くことに。

外は寒かったこともあり、彼女は体を温める飲み物が欲しいと、ウエーターに言うと、
コニャックを提案され、じゃ二つねと完全に仕切りモードに入っていた。

しばらくするとジャズの演奏が始まり、横に座っていた彼女が昔のように私に寄り添って来てくれたの。
嬉しかった。こんな私に優しくしてくれて。
今は女性には関心がないけれど、彼女だけは、何か私に安心感を与えてくれるものがあった。

ジャズバーを出て歩いていると、ワンドリンク無料にするから、このパブに来ないなんてお兄さんにしつこく
勧誘されちゃった。彼女に言わせると、これは女性だけの特権。そのお店に女性客を多く入れることで、
男性客を増やす戦略であって、酷い容姿だと声はかからないんだよと教えてくれた。

それにしても彼女には自信があるんだな。
声をかけられたのも彼女だったし。
整った顔立ちの彼女。でも彼女は、それだけじゃないんだろうな。
あらゆる面で、私とは違う。でも、私もいつかは、自信を持って歩いてみたい。

とにかく今夜は楽しかった。
後何年、彼女とこうして記念日を祝えるか分からない。
今後はパートナーと、日一日を大切に過ごしたい。

ありがとう。私に最高のプレゼントをくれた貴女へ。



9月27日       私の今のお顔

また最近お顔に自信がなくなってきた。
昨日も行く先々で、パートナーと二人に使用される呼びかけ語が、女性のためのものか、
ずっと神経を尖らせていて、結果は問題なかったけれど、今日はストレスで疲れた状態。
おかげで外出も取りやめたほど。

どうも私の中のまりなのイメージと実物が、大きくかけ離れているみたい。
そろそろ、現実を受け入れないと、ストレスに負けていつ私が、消えてしまうか分からない。

そういった意味も含めて今日は一つの大きな決心をしたの。
それは、私のプロフィールに写真を入れることに。
単に思考能力が、ぐちゃぐちゃになっただけかもしれない、、、

先週パートナーに撮ってもらった、列車の定期券のための写真だけれど。
それにしても、表情が暗いな。(写真は削除済み)
これを励みに、早く笑顔で、写真写りと実物が良くなるように頑張らないと。



9月29日       女性への小さな一歩

こちらの定期券は台帳に名前と身分証明書番号が記載され、写真が貼り付けされたもの。
今の3,4年前の写真のままだと、街中で検札に遭うと因縁をつけられる可能性があるし、
バスに乗るときには嫌でも他人の目に入り、結構恥ずかしかったの。

そこで今日は思い切って、タバコ屋さん(駅以外で定期を売っている場所)で、
写真を変えるだけでなく、「まりな」の名前で新しい台帳を作ってもらっちゃった。

本当は名前などの記載事項を変えるには、身分証明書などを掲示して、10日くらいかかるけれど、
窓口のおねえさんもまさかと思っているから、簡単に済んじゃった。

お店の人は機械的に、Marinaと記載していたけれど、私にとっては始めての公共の場で
使うものであって、出来た定期券を見て感動したほど。



大したことじゃないけれど、今日は私にとっては大きな一歩を踏み出した感じ。



10月1日       パスポートの写真変更

領事館で、仕事の話の後に世間話をしていると、その人が私の地元の高校に
通っていたとのことで、話が盛り上がり、私の高校を聞かれたの。

ゲッ、私男子校なんだけれど、、、
この人に会うのに、私の下の名前はずっと伏せていたし、極力柔らかい話し方を
していたのに、バレるじゃない。

最近は共学になったみたいだから大丈夫かなと思って正直に答えたけれど、
どう思われたのかな。

そして、帰ろうとしたら、別の人が私と話したいというから待っていると、
以前私がパスポートの写真変更について相談した件だった。
変更は外見に著しい変化があったときに、許可されるとの事。

今日は写真を持っていないと言うと、ご丁寧にも用紙が折り曲がらないようにと、
厚紙の入った封筒に申請書を入れてくれたりと、すごいサービスの良さ。

ところが、いつも間にか私が性別を変えるには結婚しているから大変じゃないのといった
話になったの。
あら、この事は一切話していないし、しかも私は改名したいと言っただけで、
女性名にしたいとは言っていないのに、、、
しっかりとばれていたみたい。

その時私はただ単に笑うのみ。

結構恥ずかしかったけれど、一般には入れない応接間だったから、
誰にも聞かれずにホッとした。

もう私の秘密は、ここでは秘密じゃないのかも…



10月4日       ホンネ

今日は久々のホームパーティ。
パートナーと一緒に早起きして、私が助手としてお手伝い。
ここまでは理想のカップル。

食事中は積極的に発言をしていた彼女が、みんなが帰ってしばらくすると、
酔っちゃったと一言。

最初は明るかった彼女を寝室に連れて行くと、段々と酔いが悪い方に変わり、
ついにはこのようなことを言われたの。

「ねえ、まりな。私の彼を返して。」
「もうあなたの事が好きじゃない。」
「私はなぜ、こんな運命のために生まれてきたの?」
「このまま一緒に眠りながら死なない?」
「あなたと別れて暮らしたい。」

私はただ涙が溢れ出るだけで、何も返せなかった。
おクスリを始めてから、初めて聞いてしまった彼女のホンネ。

深夜2時30分。
グラスに付着している、お塩とレモンが今日は特に辛苦く感じる。
まるで今の二人の人生を表している様。
やはり彼女の幸せのためには、私はここから去ったほうが良いのかも。

今、テキーラを飲みながら、私はそんなことを考えている。





10月7日       こんなところでも女性化が…

昨夜悪夢を見てから眠れなくなり、私が寝れないよーと小さな声で叫ぶとパートナーが、
背後から私をあやそうとしてくれた。ところが、半ば眠っている彼女は、何を勘違い
したのか、私のベビードールの上から乳首周辺を愛撫するじゃない。

最初はえー、どうしたのと戸惑っていたら、体中に電流が走り、なんとも言えない
とろける様な快感を感じたの。
そして、彼女は何事もなかったかのように、寝返りを打って私から離れて眠っていたけれど、
私の体は余韻どころか、まるで花火が、炸裂したかのように、快楽が込み上げ、
体が反り返り、痙攣したような感じになってしまった。

胸も女性化により、敏感になるとは聞いていたけれど、正直こんな体験は初めて。
これが男性だったら、きっと私は完全に理性を、失っていただろうと思うと、少し怖くなっちゃた。

翌朝、当の本人になぜそんなことをしたのと、聞いたものの、覚えてないんだって。



10月8日       ガーターストッキング

お仕事に疲れたこともあり、今日はお休みしてショッピング。

平日にスカートでお出かけなんて、一年ぶりかな。
膝より少し上の長さのスカートにも関わらず、シリコンの入っていないプレーンな
ストッキングだと、ガーターベルトで吊っても、座るとちょっと動くと、レースの部分が
チラッと見えてくるのよね。そんなわけで、足を組むとベルトの部分がしっかり見えるから、
組めなかったりすることに気付いた。シリコン入りのストッキングを足の付け根まで
上げておくといった方法もあったけれど、お上品にしていればフェミニンだし、
ここはヨーロッパだからそこまで気にしないでもいいか。
今後も何度か、こんな感じで外出することになるしね。

それにしても午前中のみんなが働いている時間帯のお買い物の楽しいこと。
どこも空いていてゆっくりと見れるし。何度試着しても、待つ必要もないし。

今後に欲しいなというものを何点かチェックし、今日は今すぐに必要な
大きなボタンが付いた黒のセーターと赤いピアスをゲット。
お洋服は、早速明日にでも着て行こうかな。

今日はこんなお洋服だったけれど、以外に日中は暖かかった。
(当初は、ここに写真があった)
ちなみにこの格好で、先日は顧客に会ってきちゃった。
もちろん下はパンツルックで。



10月9日       キモイ

昨日は気分が良かったせいか、ショッピング先の鏡に写る姿を
結構可愛いと思えたけれど、冷静に写真を見るとやはりキモイだけ。

また嫌になってきた。



10月12日      次なる目標

考えたらお顔がキモイと思うのは、私が次のステップに移ったからかもしれない。

日本帰国時の前半までは、アイメークに平日は、アイライン、マスカラ、アイブロウ、
そして週末はアイシャドーを濃い目にプラス。
それ以降は、ファンデ、アイブロウ、薄めの口紅またはグロスに時々チークと、
極力お化粧に頼らないようにしている。

確かにアイメークをすれば印象が変わり、女性らしく化けることには役立つと思う。
私の場合、それってお化粧によって、女性に化けているだけじゃないの。
また、程度を間違えると、女装とは、どう異なるんだろう。
本当の女性なら、日常におけるメークは、持っているお顔を最大限に美しく生かすための、
補助的なものではないのかしら。
とにかく私の場合は、お化粧品に頼り過ぎていた。

昨日のショッピングでも、プロフィールの写真の通り、目は眉毛を描いただけでお出かけ。
女性としてのパスの難易度は上がるけれど、おクスリがあまり役に立たないと分かった今、
目付きや仕草をより柔らかくするように意識して、より女性に近づくのが、現段階での目標。




金曜日のお仕事の帰りに買った腰までのロングセーターで早速お出かけ。
三つ編みの髪の毛ようなベルトが付いていて、これが結構可愛かったりして。



10月18日      言語障害かも

最近、お仕事で、普段ほとんど使用しない外国語が必要なの。
書類は他の言語同様に読めても、メールを書くには倍の時間、話すのは頭と口が
全く付いていかなくて、すごいストレス。しかも、以前は第一外国語で、教員免状も
所有しているから、本当情けなくなっちゃう。
もちろん、努力はしているけれど。

それが発端で、じゃあ日本語能力はどうなのと考えてしまった。
そして、私の過去の日記を読んでみると、これって小学生の作文じゃないと思える
ものばかり。勿論私の文章表現力の乏しさは、以前から気付いてはいたけれど、
この日記に目を通す人は、ほとんどいないといった安心感から続けていただけ。
ところが、きっとその数少ないそれを見た人たちには、きっと笑われているかも。
それでもよく日記を書いているなと思うの。

The Endとなる日も近かったりして。
でも頑張らないとね。
全てがネガティブに見える今日。
ちょっとデプレ気味なわたし。



10月19日      Nails

女性ホルモンを始めてから、爪が割れやすくなる。
そういった記述をよく見かける。
今日お邪魔したブログにも写真つきで出ていた。

ところが、私はどうなの。
もう10ヶ月目に入ったというのに、一向に割れる気配はなし。
しかもマニキュアを欠かした日は、一日もないのに。
強いて言えば、ペディキュアか、パンプスに無理に詰め込んだためかは、
分からないけれど、足の爪一本が剥がれたくらい。

それはまだまだ私の体質が、お顔のように男っぽいからかも。
抗男性ホルモンのアンドロキュアだって毎日、100mgを飲んでいるのに。
150mgに変えないといけないのかな。

でも、今もお昼ご飯を作っている間にワインを半分、ビール一本飲んでいたから、
量を増やすと、肝臓に良くないのよね。
これからお食事が始まると、今日はお魚だからさらに白ワインを飲むしね。

早く私も女性らいい爪になりたいな。



10月21日      女性が褒める場合のホンネって?

最近デプレ状態が続いているから、日記にも書く気にもなれなかったけれど、
一つ嬉しいこともあったの。

先週の金曜日、ある日本人女性とランチをした時のこと。
5ヶ月前、仕事上の会合にて、私の最後のスーツ姿を見た一人。
勿論、相手には私のことは一切話していない。

オフィスを出る前に、グロスだけを少し塗り直してお出かけ。
そして、待ち合わせ先で、私が声をかけると、「え〜」と大きな声で叫ぶの。

彼女の絶叫モードも終わり、レストランに向かって歩き始めたとき、
「すごく自然に、女性に見えたましたよ。」
そう私に言ってくれた。

最初はすごく嬉しかったけれど、よく考えると、女性は常にまず、相手を褒めることを
行うのよね。よほどその相手に、嫌悪感や不快感がない限りは。

私のパートナーだって、男性から見るとお世辞でも綺麗と言えない人のことも、
キレイと言っていた事があるし。

やはり社交辞令だったんだね。

でも、私を応援してくれるって言ってくれたことは素直に喜べた。
だから、お食事もすごく美味しくいただけた。

ちなみに私の選択した日替わりメニューの内容は下記の通り。
私は別のお話があったのに、結局は私の女性化の質問攻めにあって、
食べるのが結構忙しかった。

ツナのグラタン(すごい量)
      *
ビーフシチュー (赤ワインで柔らかく煮込んだお肉に、ソースがかかっているもの) 
フライドポテト添え
      *
チョコレートケーキ (ブラックとホワイトチョコのコンビネーションが絶妙)

飲み物つき。私はガス入りのお水をチョイス。

これで合計約11ユーロと、お値段の割にはすごくお得。
お店も洒落た感じだったし。

今度は、ステキな男性と行ってみたいな。



10月23日      私のファッション 昔と今

最近、ベッドから出たくない朝が増えた。
今日は何を着て行こうかなと、悩んでしまうから。
少なくとも最近までは、そんなことを考えもしなかった。

1年前     :パートナーから渡されたメンズのシャツをそのまま着る。
6ヶ月前    :ボタン位置が、右上なだけのカラーシャツの色を自分で選ぶ。
今月より    :セーターやブラウスなど、着る物をどう組み合わせるかを考える。

普通MtoFの人って昔からお洒落な人が多いけれど、おクスリを始める前の私は、とても無頓着。

何年も前のこと。テレビドラマで、主役を務めたりしていた人気俳優に似てると何十人にも、
つまり最初に会う人には、必ず言われていたけれど、全く意識することなく、実際、里帰り時に
テレビを見ても、あっ自分がテレビにいるといった程度で、ファッションなどにこだわることなし。

それでもまだ当時はもう少し服装に気を使っていたものの、その後は、全くファッションから
遠い人となり、私の姿は悲惨そのもの。
その俳優さんに似ているどころか、写真を見ても本当不細工。
何と昨年の夏、GIDの病院の扉を叩くまで、一切自らを改善しようとしなかったくらい。

そんな私が、今、無謀にもOLのファッションを徐々に試みている。
お仕事の関係上、そんな派手には出来ないけれどね。
服も今月は、4着買ったけれど、まだまだ足りない状態。

お洒落な女性だと、アクセなどを使って上手くコーディネートをして、着回しを行うんだろけど。
女性って本当に大変。

今は面倒だし、頭も痛いけれど、今後は朝が楽しくなるように、コーディネートを覚えないとね。

明日は金曜日。お仕事の後に、お店に行ってファッションをチェックして来よう。
最近は平日モードのメークでも、試着する恥ずかしさが、なくなったことだし。



10月25日      まりなという名前の由来 前編

最近はお仕事でロシア、ベラルーシ、ウクライナとやり取りすることが多く、
普段は聞かないような名前が、色々と飛び込んでくる。その中で驚いたのが、
Marinaという名前の人からメールをもらった事。

うぁー、私と同じ名前の人に初めて遭遇しちゃた。
そう思うとなぜか嬉しく、自然とメールもいつも以上に丁寧に回答している私。

今日は私の名前の由来について少し。

GIDの病院に通い始めたとき私は、別の日本的な女性名を将来の名前として、
登録したの。それは私が、幼稚園に通い始めた、初めてのお友達の名前。

ところが、私をとても評価してくれた、心理カウンセラーに、その名前より、
私の本来のものの方が、ずっと女性らしいのに、どうしてそちらを使いたいのと言われた。
説明しても、日本語での意味は理解できても、やはり女性らしい響きがないとのこと。
実際、Marinaという女性からの返信メールにも、Dear Ms. xxxと書かれていた程だから、
私の戸籍上の名前のほうが、欧州の人たちにとっては女性らしいみたい。

確かにこれまでも敬称が付いて返ってくるときは、100%に近い確率でMs.だったし。
そこで、私は世界レベルでより女性らしい名前に変えようと決意したの。



10月26日      まりなという名前の由来 後編

いざ名前を考えてみても、思い浮かぶのは、聖母マリアの名前くらい。
そんなわけで、一日有給をもらって、命名プロジェクトを実行することに。

インターネットて本当に便利。
すぐに命名辞典が見つかったものの、10000以上もあるすごいもの。
ご丁寧にも最初は"A"から検索したけれど、Aの途中で疲れちゃった。

ハーブティーを飲みリラックスした後、なにもAからZまで見る必要がないことに
気付いたの。

B,L,P,Q,V,Zなどで始まる単語は、日本語にはないため使用不可。
H,J,Yは言語によって発音がまちまち。
Kはゲルマン語、スラブ語系には良いけれど、ラテン語系では使わない文字。
でも、可愛い名前も多いから入れちゃえ。
日本語のC,F,Tで始まるは名前はあまり好きでない
など、好みも考慮して、
消去法を取ると、A,E,K,M,N,R,Sで始まる名前にようやく絞られた

フランス語の女性名が、Eで終わる事が多いけれど、世界レベルで見るとAである
ことが多く、逆にOはラテン語系統では男性名の象徴。
そのような理由から原則は、Aで終わる名前に重点を置くことに。
更にに、ラテン語、ギリシャ語語源を選択すると、ERIKA,KARINA,MARIA,SARA,
MARINA,などが浮上。

その中でもMARINAは、マリンブルーの母なる海のイメージ、音韻的なこと、
また、3音節の響きが好きなことから、すごく気にいちゃった。
ラテン語圏、ゲルマン語圏ともに実在人物を確認し、パートナーに

どうかなと話すと、フレッシュな感じがしていいじゃなのと、答えが
返ってきて、
その夜、「まりな」が誕生したの。

でもなぜか、お友達には「まりーな」と呼ばれることが多く、この間も日本の家族で
唯一私を応援してくれる、妹からのメールで初めて、私の新しい名前で呼んでくれた
ものの、なぜか「まりーな」だった。それも二度とも。
最近では、私も自らのことを「まりーな」と言ってしまうほど。

こんな風にして生まれた私の名前。
一日も早く「まりな」の名前で24時間、生活したいな。



10月27日      男子校に行った理由

私の高校は男子校。
なぜそんなところに行ったかというと、理由は単純。
女子を見たくなかったから。

当時は男の子が女の子になれるなんて、夢の世界としか思っていなかった。
中学の時、段々と私と変化が大きくなってくる女子を見ていると、なぜ私は
こうなのと思うこともしばしばで、段々と耐えがたいものになってきたの。

そんな思いで男子校に通ったけれど、同級生に何度となく、キスを迫られる、
廊下ですれ違うと体を触られるなど想像外の出来事が。
大学生になり、反動で男らしくなってやると、お友達と拳法部に体験入部をすると、
初めて着る胴着に先輩にマジックで何かを書かれたの。
後で見ると、「おかま」と書かれていて、嫌になった。
アルバイト先でも、社員さんに、そんな女っぽい目で見ないでよ。
その気はないんだからねと、私にとっては???な事を言われたりした。
他にもまだあるけれど、思い出したくないから割譲。

なぜ男の子になんか生まれて来たんだろうとよく悔やんだ。
ある世界が存在することを知るまでは…
それは、ニューハーフの世界。



10月31日      到達感のない目標達成

私にとって、女性のアイテムNo.1はスカート、そして、その次は靴。

細いヒールの付いたパンプスは、中性的だとは言い訳にならないしね。
今日は、ついに7cmのヒールの付いたパンプスを履いてお仕事へ。



ところが、社内での反応は全くなし。
私にとっては、すごい冒険だったのに、とても残念。
最近はローヒールを履くことが多くなり、カツカツ音を立て歩く音に慣れたんだろうか。

でも、これでスカート以外の全ての女性のアイテムを身に着けてお仕事をしたことに
なるから、まずは、今年の目標は達成。

何か物足りなさを感じ、お仕事の後にパートナーと合流して、ショッピングをしたものの、
群集に対して埋没状態で、私は女性よと特別の存在感を感じることもなし。
今日はちょっぴり寂しかった。

唯一女性を感じたのは、帰宅して、パンプスを脱いだ開放感。

パートナーに言わせると、私が普通に女性として振舞えている証拠よと
言ってくれたけれど、私には、どうもしっくりと来ない日だったな。





    ..........      


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