Syria 2

6月28日

シリアを訪れる時間が1日しかなかったらパルミラに行けといわれている。
そこにはシリア観光のハイライトのパルミラ遺跡があるからだ。我々はそこに行くバスの
時間確認と,切符を買いにカルナック社のチケットオフィスにいったが、どうも首都の
バスターミナルの窓口にしては閑散としている。
おかしい、いやな予感がした。

すべてアラブ語表示のため聞いたがそこまでのバスはここから出ていないとい言って
いるような感じだった。じゃあどこからだ地図を渡して聞くと発見できないようだった。
取り合えずバスターミナルまではタクシーで行けと、運ちゃんに紙を見せるだけで言いようにと
書いてくれる。ターミナルの出口で英語の出きる人に聞いたところターミナルは8
Km離れた
郊外に移動したとの事であった。それで地図とにらめっこしていたわけだ。
そんな遠くまでわざわざ行く気もないので時間だけを確認して宿に戻った。

午後の一番暑い時間を避けいよいよ城壁の中にある旧市街を4人で探索する。
ダマスカスは常時人が住んでいる都市の中ではもっとも古い都市だといわれている。
紀元前15世紀のエジプト時代にも登場する。城壁もローマ時代から何度も作り替えられているものだ。

アサド大統領と少年少女が近代都市の中の花畑にいる絵が描かれている所からスーク(市場)に入る。
中は薄暗く色の赤い電球による明かりが何ともエキゾチックで中東の雰囲気がするそんな
アーケード街にも上から吊るしてある大統領の肖像画が目を引く。ずーっと衣料品店が並んでいて
、妻がゆっくりと服を眺めていた。途中カフェに入り、甘いものを食べてみた。

ババロアがお勧めという事で食べてみたがそれほどでもなかった。
むしろアイスクリームを作っている過程が面白かった。餅をついていると思えばアイスを作って
いるのであった。粘り気が多く完成品も三角柱の形ではなく凱旋門のようにアーチを描いて
いるから不思議だ。後で食べようと思っていたが、そんな時に限って機会というのを逃してしまうもの。

今回もその例に漏れなくとても残念。ババロアのを引きずりながら歩いていると、ド派手な格好をした
水売りらしい兄ちゃんの姿が目に入った。(みずうりのびょうしょを加える)これは何だとたずねると
まあ試してみろよとグラスに少し注いでくれる。カシスのような木の実の味がして美味しかった。

貴金属のスークを通り抜けて、18世紀のダマスカス司令官アゼムの命によって造られたアゼム宮を見学する。
思ったより広かったが当時の調度品などが展示してある博物館であった。

各部屋にいる係員も暇なせいかいろいろと分かる分かるまいとあらぶ語で説明してくれるので
思ったよりも長く居た。

いよいよその日のハイライト、オマイヤドモスク入場である。
我々異教徒は正面から入れないのでぐるーっとモスクの周りをまわり入場料を払う。
女性は黒のチャドルを着けていないと入れないのでそれを借りる。異教徒が身につけると魔法使いのように
見え可愛らしいものだ。中の空間はちり一つなくきれいぴかぴかにに掃除されている。モスクは日本の寺院
のように靴を脱ぐので妙に親しみやすい。また中は涼しく過ごしやすい上に、絨毯が敷き詰めてあるので、
仰向けに横になりながら瞑想にふけているのか、単に休んでいるかの人が何人かいた。
また水の入ったポットも備えられていて有り難い。それにしてもモスクの中は落ち着ける。

気がつくと30分が過ぎていた。モスクを出て再びスークを探索しながら最初に入ったゲートに向かった。

妻の体調が少しおかしかったが、今夜で平野君たちとお別れなので、一人3ドルぐらいのちょっぴり
高級なレストランに行った。地下にあり落ち着いたなかなかの雰囲気であった。レンズ豆のスープ、
サラダ、羊の脳みそ、ミートボールなどを注文したが、スープは香辛料が効きすぎ、他の料理は味がなく
見かけ倒しもいいところであった。レンズ豆のスープを飲んだ我々夫婦は口直しに帰路の酒屋でビールを買う。

ハイネッケンのビールが目を引いたが、ヨルダンでもビールが美味かったので、迷わずにシリアのビールを選んだ。
茶色と透明の中瓶が出てきたがラベルが貼っていない。不思議そうにビールを眺めていると酒屋のおやじが、
「これはナチュラルビールで美味いぞ。」と自信をもって薦めていた。宿に帰って4人で乾杯してみたが、
戦争中に代用品のビールもどきを飲んでいるようでいるようであった。

同時に世界3大まずいビールリストが完成した。ソ連のビール(現在は美味しい)、キューバのビール、
そしてこのシリアのビールである。そういえばキューバでの落胆が大きかったのが思い出す。

街中で飲んでいる人がいたにもかかわらず、いくらビールを探しても商店には置いていなかった。
そしてある日まちなかできいてみるとこうだった。「昔は店に売っていたけれど、今じゃ過去の話さ。
ブラックマーケットにあるよ。おまえも欲しいか。」「ああ、もちろん。で、そのブラックマーケットは
どこにあるんだ。」「闇屋から買うものだけど、看板があるわけでもないから飲んでる人に聞くことが一番だな。
一本俺におごってくれるというなら、一件この近くのを教えてやってもいいがな。」
とても喉が渇いていたからまあいいかと、教えてもらう。歩きはじめたかと思うとアパートの奥に消えていった。
一分位すると、ちゃんとビール瓶を持って出てきた。そこまで苦労して手に入れたが、味はとんでもなかった。
しかも闇のため、外貨ショップで買えるハイネッケンと比べても高かったのである。

なんか腹具合がおかしくなってきたと感じながらも、夕食の変なスープの口直しだと全部飲んでしまった。




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