Zimbabue 02

 
 今日はこの国最大のハイライト、ビクトリアの滝を見に行く日。

ベッドは快適なはずなのに、疲労が蓄積すると余計に眠りが悪く、
ちょっと疲れ気味のお目覚め。

空港までの送迎も無料で行ってくれるし、運転手は穴ぼこだらけの道を
最新の注意を払って運転してくれるからとても快適だった。

現在、国民の大半が失業しているといわれているジンバブエ。
彼はどうなったのかな。大丈夫かな。なんてちょっと心配しちゃった。

飛行機だとあっという間にビクトリア・フォールズに到着。
まずは安宿探しに歩いたものの、今日もあと一泊、少し良いところに泊まりたいななんて
思いもあったので、ちょっと立派そうなホテルに行って値段を聞いてしまった。
ところが予想以上に値段が高かったので、そこを出て、やはり安宿を探すことに。

                         ☆

英語を話している夢を見た。
昨夜はイギリス人たちと色々とお話をしたから、英語脳になったのかなとちょっぴり
嬉しくなった。でも、舞台が救急車で、白人のドクターと、黒人の看護師さんみたいで、
変な夢だな。

目が覚めると私は眠っていて、救急車での出来事が夢だと理解した。
でも、見覚えのない光景。
周りを見渡すと、グレーの殺風景な風景、横にはベッドがあり黒人が横たわっていた。
そして、私の腕には点滴が刺さっていた。
体も少し痛い。

その時初めて私は気づいた。
病院に入院していることを!

何がどうなっているのか理解出来ない。
記憶を辿ると、ホテルの値段を聞いて、高かったからそこを出ようとした。
でも、それ以降の記憶がない。

聞いてみると、私がホテルでぶっ倒れて救急車で運ばれてきたことを知った。
つまり英語で話していた夢は、夢ではなく現実だったのだ。
体が少し痛いのは、倒れたときの打撲であった。

ドクターによると過労のようだけれど、様子を見ようという事だった。
過労?そういえば心当たりはある。
この二晩の睡眠不足以外にも、ビクトリアの滝のある場所はマラリアの危険地域で
あるから、この二週間マラリア予防薬を飲んでいた。

元々強い薬でありながら、ヨーロッパ製造のものだからより体に堪えたのかもしれない。
服用初日には、しばらくすると視点が定まらず、強烈なめまいに襲われたし、
その後も体がダルく感じたりしていた。

今思えば、女性ホルモンを服用し始めた初期のころより、ずっと副作用が強烈で
あったことを思い出した。

今夜は病院にお泊りか。
軽い打撲と、疲労で済んだだけでも感謝しないといけないな。
別の点滴を受けながらそう考えることにした。
そう開き直って、一晩ゆっくりとすることにしたが、そう甘くはなかった。


(この日訪れる予定だった、ビクトリアの滝・ジンバブエ側)

隣で寝ている黒人のお兄ちゃんは症状が重そうで、時々発作のような声を発する。
ところが、看護師さんを呼ぶベルが彼にはなく、私の方にあるため、
彼が苦しそうにすると、看護師さんを呼ぼうかと尋ねてやる羽目になってしまったから。

夕食はとうもろこしの粉を練った「サザ」というものだけだった。
すごく質素だったけれど、食欲があまりなかったこともあり、その時は特に不満を
感じなかったけれど、足先の窓の方を見ると大きな問題を発見した。

町立病院みたいなこの病院には、冷房はなく、網戸越しに自然の風を取り込むようになっていた。
熱帯地域と言っても、夜は結構涼しかったりするから、快適なのだが、よく見ると、
いや、よく見なくとも、大きな穴が開いている。

ここはマラリアの危険地域。
ただでさえ、点滴で繋がれていて動けない体なのに、蚊に刺されちゃうじゃないの。
もう一体どうなっているんだろう。
まあ、明日出れるから良いかなんて思いながら、この夜は久々に良く眠った。



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